第9回 潰れからの回復操作についての用語

潰れからの回復操作についての用語

問1 ピッチアップとピッチダウンで振り子運動になるのでしたね?

答え ピッチアップはパイロットと機体が垂直関係にある状態から,機体が最初に後ろへ行き,パイロットは垂直関係を保つように振り子の重りのように,ついて後ろにいきます。
ピッチダウンは,機体が最初に前へ行き,パイロットは垂直関係を保つため,振り子の重りのようについて前にいきます。
しかし,慣性が働きますので,タイミングが合うと,ピッチダウンとピッチアップが大きくなります。
マヌーバの訓練でピッチング訓練と云うのは,タイミングを合わせる事によって,大きなピッチングを起こすのと,外してピッチングを治める訓練です。

問2 ピッチダウンはシューテイングと同じ意味でしょうか?

答え 同じです。

問3 するとコンペ機では、デイープストールからの回復に際しては、常に必ず振り子運動が起こると理解していいでしょうか?

答え  コンペ機に限りません。パラグライダーの大きな潰れからの回復方法は,ディープストール(フルストールは同意語)から,フルリリースをして,ピッチダウン(シューティング同意語)⇒ピッチアップ⇒ピッチングを止める。(翼圧が低い場合は,ピッチダウン⇒ピッチアップを繰り返す場合もあります)
マニュアルにもありますが,フルストール操作をして,翼の真下にパイロットが入る子とが出来ず、垂直関係ができない状態で,フルリリースをした場合,激しいピッチダウンを起こす場合があるとしています。
マヌーバマニュアルの範囲をこなすには,100本程度のフライトは必要でしょう。

問4 パラグライダーが、片翼の大潰れを起こすと、潰れた翼がひらひらして、翼形が、ぐちゃぐちゃになるおそれがありませんか?

答え 

問5 パラグライダーが旋回すると、翼とパイロットでは旋回する速度が違ってくるので、ラインが絡みませんか?

答え

問6 フルストールにするのは,危険ではないでしょうか?ほかに回復の方法がないからやむを得ず意図的にフルストールにするのではないでしょうか?

答え 潰れた、変形した翼を、回復しやすい状態にするためです。フルストール操作は,潰すと云うより,後縁を絞る操作と言った方が判りやすいかもしれません。

問7 潰れからの回復操作に2通りあるかのような説明について

答え 思いつきで申し訳ありませんが,失速からの回復訓練はセスナでも良くやっています。ハングでも同様だと思います。
90度以上のピッチダウンが,いかに危険かは,彼らから意見を求めたらいかがでしょうか?
セスナではピッチアップをしてから,スロットルを絞り,ピッチダウンを起こして失速からの回復を訓練しますし,ハングでも同様の訓練をします。失速からの回復は最も重要な訓練の一つです。
ハングでも一度裏返しになったのを目撃しています。
緊急パラシュートを投げて事なきを得ましたが。
MPG委員会の山崎氏はHG,PG,MPGをこなし,経験も豊富ですし,学歴・見識も豊な方です。
今後は、異常飛行状態から回復した方々から直接詳しい説明を受けて、安全のための条件について意見を集約する必要があるでしょうね。




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