第5回 機体の危険について 機体の危険について、パラグライダーに乗ったことの無い素人の疑問で恐れ入ります、是非議論し解明していただきたい。それは、第4回のバーテイカルスピンで前提とされているような状態、即ちパラグライダーが、垂直落下の状態では、翼がつぶれていても、いなくても、理論上は、滑空状態に戻れないのではないか、という疑問です。即ちパラグライダーが、垂直落下になったら、回復操作などといわないで緊急パラシュートを投げるよう指示すべきではないか?という疑問です。 テイクオフする時、パイロットが走りますよね。滑空するために必要な翼が前進する力は、パイロットが翼を引っ張ることによって与えられるのですよね?垂直落下中は重力だけしか働きませんから,パイロットはどうやって翼を前方に引っ張ることができるのでしょう? では、片翼が潰れたときの対処方法の説明を検討します。対処方法としては、2通りあるそうです。そうでしょうか?という疑問です。『潰れていない側のブレークコードを引いてキャノピーの旋回を止める』、『通常大会に使用する性能の高いパラグライダーにあっても翼全体の70%の潰れに対して、その潰れた方向への旋回をとめるブレークコード操作は可能であり、旋回をとめる操作が妥当な方法である』。そしてブレークコードを引いて旋回を止めると、パラグライダーも前進しなくなりますよね?でも翼全体としては前進速度を失っていないからブレークコードを開放すると、翼は走り、滑空状態に戻ることができるという風に説明できますよね? しかし気流が悪いなど外的な条件で翼が失速した場合や,上記のバーテイカルスピンの場合は、翼は前進速度を失っていると考えられ(ブレークコードで人為的に前進速度を抑止していないから)空中でどうやってパイロットは翼を前方に引っ張ることができるのかなあ?どういう力が,滑空状態に戻してくれるのかなあという疑問です。 で、もう1つの回復操作、即ち高性能機といわれる機体に適切といわれる操作を検討しましょう。同様に片翼が潰れた場合に、この上記の操作操作では、回復せず、別の対処方法でないと回復しないとされています。『片翼潰れが起きたときは、ブレークコードを引かずにキャノピーを走らせる。キャノピーが走り終わったところで、自分の体をキャノピーの下に滑り込ませる。』 一見尤もらしい、この説明に疑問を持つのです。これって、翼の潰れからの回復方法がないということなのではないのでしょうか?本当は、回復操作ではなく、緊急事態の対処方法を言っているのではないかという疑問です、……緊急パラシュートを投げるしか手段のない場合に、たまたま旋回(遠心力)を利用して生還した例外的な場合を、さも通常起こり得るように言っているだけではないか?という疑問です。ブレークコードを引かずに潰れた状態のまま、翼がパイロットの足より下に来たら、その中に落ちないようにするというのも、操作方法ではないですよね?その状態は、統御できない状態であることを前提としていますよね。緊急時の心構えというべきでしょう?翼に包まれたら、ナイフで翼を切り裂くか、腕の力で脱出しなさい、というのも同様ですよね?運良く、翼に包まれることなく、或いは翼から脱出できたら、翼の動きが収まるのを待って、マヌーバートレーニングなどで経験した対応可能な振り子運動が始まるから、それまでじっと辛抱し、それが始まったら、翼の下に体を滑り込ませて、旋回〔遠心力〕を利用して、翼を前方に引っ張る……ということなんでしょう?『キャノピーが完全に前に出るまで、基本的にはブレークコードを引かずにおく。』『この後、体がキャノピーの下にスイングして入ったら、スパイラルに入りながらキャノピーがスピードを付けることを利用してキャノピーを回復させる。』『You had to let it fly forward completely with basically no brake, swing under it, then exit the deflation by letting it build speed in a spiral』 私は、高性能機の危険とは、片翼に大潰れが発生した場合、回復できない危険があるとはっきり説明すべきだと思っているのです。これを数学モデルで論証することができれば、高性能機が合格機より危険であることを論証できることになるのですけどね。 |
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