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パラグライダーの機材と装備

事故の真相を解明するためには機材や装備のチェックが必要です。装備品のすべてを完全に保管すると共に、アルチバリオメーターとGPSは、記録されているログデータが電池切れなどで消失する前に、証拠としてパソコンに取りだして保管する必要があります。警察は事故調査の初期にこのデータ保全を行ってください。特にGPSのログデータはフライト軌跡の正確な記録です。コンピュータ上で事故に至る飛行の再現が出来ますから、事件性の有る無しに関わらず、事故調査を完全な物にするためにも、必ず検証してください。

パラグライダー飛行の一般的な装備品

1.機体(翼)
2.ハーネス
3.緊急パラシュート
4.アルチバリオメーター
5.GPS
6.無線機
7.緊急脱出セット(ツリーランセットとも言う)
8.フライトウエア:ヘルメット・服装・靴・グローブ

事故の原因は、気象に起因する場合、パイロットの判断や操作に起因する場合、使用していた機体や機材に起因する場合など様々ですが、フライトの際に装備している計器にはログ(記録)機能があり、事故に至るフライトをコンピュータ上で再現シュミレーションできますから、このログ(記録)を遺族や警察は証拠として確保することが、原因究明に欠かせない重要な事です。

機体の状況がどうであったか、事故現場でだれも手を加えずに状況保存されていればいいのですが、救出の際に取り外しますから、破損や断裂は別として翼やラインの絡みなどは、どうであったかわからなくなる可能性が高く、最初に現場に駆けつけた人の目撃情報が重要になります。できれば利害関係の無い複数の一般フライヤーによる目撃情報を集めて記録してください。


●機体
チェック項目
*機体の破損(破れ・縫い目のほつれ等)
*機体・ラインの絡み(墜落現場での状態確認)
*ライン・ライザーの断裂
*カラビナ・金具類の変形・破損

*機体の安全性テストレート(スクール講習生は、レベルアップなどと称して2機目または3機目をセールスされ、不必要な安全性の低い機体を購入させられている場合があります)によっては購入のいきさつを調査する必要が有ります。

機体名とサイズがわかれば、パラグライダー総合資料サイト「P@r@2000」で機体の詳細な情報を調べることができます。 P@r@@P2000

●ハーネス
 チェック項目
*吊り下げ部分の破損
*バックル等締め具が正常に締まっていたか?破損は無いか?脱落防止装置は機能していたか?
*緊急パラシュート格納部分・状態
*衝撃吸収装置の破損と身体損傷部位の関係

 パラグライダー総合資料サイト P@r@@P2000

●緊急パラシュート 
ハーネス内に格納するタイプの場合、緊急時に引き出しにくい物もあるので、慎重に調査してください。*高山事件では遺族の知らないうちに証拠品が無くされてしまったために、ハーネスの緊急パラシュート格納システムが引き出しにくい欠陥があった可能性について追求することができませんでした。

チェック項目
*正常に開いたか?開こうとした形跡があったか?
*ラインがパラグライダーと絡んでいなかったか?
*生地やラインに破損は無いか?

パラグライダー総合資料サイト P@r@@P2000

●ヘルメット
破損が有る場合、頭部損傷部位との関係はあるか?衝撃吸収機能は充分だったか?
形状が身体の損傷と関係があるか(後ろに長いエアロダイナミック形状は頸椎損傷の可能性有り)


●アルチバリオメーター
高度計と昇降計の機能を持つ計器で、ほとんどの機種にログ機能があります。記録を取りだして事故当時の大気の動きを知ることが出来ます。

AIRCOTEC エアコテック社 
BRAUNIGER ブロニガー社 
DIGIFLY デジフライ社
Flytec フライテック社
RENSCHLER レンシュラー社 


●GPS
ほとんどのパラフライヤーが装備しているGPSは、位置、高度、移動速度、方角など様々な位置情報を得る人工衛星を使った、とても正確な最新の機器です。GPSには記録機能があり、その記録で事故状況を詳しく分析できますから、とても重要です。*高山事件では、遺族の知らない間にGPSが無くなっていました。そのため事故状況の立証が出来ず、不利で困難な闘いになりました。

 Garmin ガーミン社(アメリカ) 代理店Web site
*検証に必要なパソコンソフト:カシミール3D (フリーソフト)


●無線機:特定小電力無線 唯一手軽に利用できる合法的な無線機 無線運用基礎知識
      スカイレジャー無線 一般に普及していないがJHFが免許人となって大会用に貸し出している。

*多くのパラフライヤーがアマチュア無線を利用してきましたが、フライトに関する通話は運用を定めた法令に反しています。使用できません。スクール講習や大会運営などの業務に使用することは電波法違反です。


機材に事故の原因が有るかどうかを調べるには、事故機材の保存と事故の詳しい情報、そして機材に関する知識が必要です。和泉恭子基金にご相談ください。

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